田村亮子さん 超一流の人は柔らかいオーラを持っている
今日ふと思い出したこと。
私は今の会社に入る前はスポーツトレーナををしていて、様々な現場で活動していたのですが、大きな舞台でも経験がありました。
2000年にシドニーオリンピックがあったのですが、その全日本女子柔道の代表チームの強化合宿に帯同したのです。
全日本女子柔道といえば、当時、田村亮子さん(現参議院議員)が全盛期で、全日本、世界選手権では敵なし。
しかし、オリンピックの舞台では期待されながら2度も決勝で敗れ、涙を呑んでいました。
雪辱を期して、三度目の正直で初めての金メダルを目指す舞台。
しかも、年齢、体力、精神ともに一番充実している時期でしたので、その合宿に参加する私は、微力ながらも大きな責任感を感じて緊張していました。
ケガやコンディション調整を失敗でもさせようものなら…
もう殺気が渦巻いているような現場なんだろうなと想像しつつ初日。
少しばかり緊張しながら会場へ。
柔道場を見つけ、ノックして入場すると、全日本代表メンバーと、練習相手の大学生たち、総勢100名が既に会場入りしていました。
少し面食らって、皆さんに一礼。
すると、私がスタッフだと分かったようで、皆さんも会釈してくれました。
少しだけほっとしながら、すぐに田村亮子さんを初めとする全日本メンバーへ挨拶せねばと思い、視線を動かしました。
練習前は、さぞ緊張モードで声をかけずらいのかなと思いながら…
すると、、、私の足元から
「こんにちは~~~!」
との声が。
足元に視線をやると、そこには他ならぬ田村亮子さんが。
なんと、20歳そこそこの私に、真っ先に自分から挨拶をしてくださったのです。
そこから自己紹介と軽い世間話へ。
その時点でもう、超驚きです。
殺気、傲慢さ、プライド、そんなものは一切ありませんでした。
しかも、不思議とそれで緊張はほぐれてしまったんですね。
今思い返せば、超一流の人は「包み込むようなオーラ」を持っているのでしょう。
でも練習が始まると、その殺気たるや(汗)
100名が組み手をしている中でも、田村亮子さんがどこにいるかはハッキリ見えました。
決して目で追っているわけではなく、目を開けた瞬間にすぐに分かるのです。
異常なほどの殺気とオーラがそうさせるんでしょうね。
平常時の、「包み込むようなオーラ」
練習時の、「殺気を含んだオーラ」
両方とも、同じ人から放たれているものです。
究極の「緊張と弛緩」ですね。
若い時にそういった超一流を肌で体感できたのは、今の私の大きな財産になっています。