書評…賢い芸人が焼き肉屋を始める理由…日本人らしい投資との付き合い方
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第1章 いまこそお金との向き合い方を考えよう
第2章 投資嫌いな日本人のための「和風」資産運用のススメ
第3章 お金を育てる「和風」資産運用の考え方
第4章 「和風」資産運用は“幕の内弁当”を作るように
第5章 「将来の自分」は「いまの自分」が支える
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ユニークな、このタイトルに惹かれて読んでみました。
で、思ったのは「焼肉店 開業のススメ」ではありませんでした(笑)
日本人に合った投資、資産運用の考え方の本です。
今までいろいろな投資本を読んできましたが、そのほとんどが堅苦しい理論を紹介する内容でしたが、この本は非常に分かりやすかったです。
日本では、「投資」と言うと、「投機」のようにとらえられがちです。
「危険」「汚いもの」といったイメージもあります。
「投資なんてやんないよ!」という言い訳として挙げられているのは、こういうものです。
「時間がない」
「お金がない」
「投資は嫌いだ」
「投資は怖い」
「投資は難しい」
「ずっと働くから」
「家訓だから」
どれも、根拠はありません…
でも、一つだけ分かりきってるのは、今までのように会社の給料は上がっていかないという事で、これは今の経済を見れば一目瞭然です。
そして、経済が一瞬で改善するような事は基本的にありえない中で、歳を取ればとるほど、必要なお金の量は増えていきます。
このミスマッチを解決してくれるのが投資です。
特に興味深かったのは、第3章『お金を育てる「和風」資産運用の考え方』です。
日本人のメンタリティを日本史に絡めて説明しています。
具体的には、農耕民族ゆえの長所として、
①種を蒔く重要性を知っている
②「おかげさま」を大事にする
③「和」を尊ぶことができる
④「知足」を知っている
⑤「永代」の時間感覚がある
をあげ、投資の基礎である「長期投資」「国際分散投資」「インデックス投資」「低コスト」というスタイルが日本人に合っていることを解説しています。
逆に日本人ゆえの弱点として、
①内向き発送の島国根性が強い
②「根拠なき楽観」に支配される
③収穫しなければ気が済まない
④団体行動が好き
⑤お金に偏見がある
投資には当然リスクも付きまといますが、それはどんな手段でも同じ。
不勉強にお金を突っ込んだり、雇われの営業マンの言葉を鵜呑みにして購入するなどは、言語道断。
勉強し、リスクを定義し、自分の目で見て、自分で決断する。
社会に出ていて「自己責任」といっても、「組織」「上司」「他人」「みんなの責任」と、意外と自分だけに責任が降りかかる事は少ないと思います。
しかし、投資においての自己責任は、まさに自分だけに降りかかる責任です。
投資が必要な事はわかりきっていますが、しっかりと勉強して付き合っていきたいですね。