今日の脳カツ 6.「量」を比べるということ
社会人になってすごく驚いたことがある。それは「量」を比べる人が物凄く多いということだった。
「○“時間”しか寝てない」 「○“時間”残業した」 「○“件”の業務をこなした」 「○“回”も出張した」などなど。当人たちは自慢してるつもりはないと言うだろうが、端から聞いているとそれは自慢で、むしろ競い合ってるようにも見える。
そういう話題で盛り上がる人たちの特徴は、基本的に「人の話をあまり聞いていない」という事だ。相手が提示した「量」に対して、自分はそれ以上のものを用意する。「お互い大変だねー」と言いながら、いかに自分が大変なのか、そのアピールに終始する。そして終わりがない。
「量」を提示し合って大変さをアピールしたところで、何も前進はしない。そもそも、本当にその大変な状況が嫌なのであれば、何としてでも改善しようと考えるはず。しかし、「量」のアピール合戦は基本的に長期戦になり、何も改善されず、また合戦は続く。
そもそも「量」というものは、単純な件数や時間だけで比較することはできない。会社、業界、部署、担ってる役割、他の業務とのバランス、知識、経験、能力、、これらによって個人差があるからだ。同じレベルの仕事20件を定時内で終わらせる生産性の高い人もいれば、10件で5時間残業する人もいる。
では、20件の仕事を高い生産性でこなして定時で帰る人は楽なんだろうか?そんなことはない。しかし、「量」を比べる議論は、この生産性が考慮されていない。単純に残業をたくさんした人が「頑張ってる」」「やる気がある」となってしまう。そして、その空気にのまれる残業仲間を作ってしまう。
ビジネスの基本は、売上を上げ、経費を抑え、利益を出すこと。本来は残業をせずにみんな定時で帰る状況が一番望ましい。サービス残業であるかどうかは問題ではない。定時内の生産性をあげて、溢れてしまった場合のみ残業。その意識を浸透させるためには、生産性の高い人は進んで早く帰るしかない。
残業込のスケジューリングをするのではなく、あくまで基本は定時内に仕上げるイメージで。そうすることで、自分の時間を確保できて、静養もでき、翌日も高い生産性を確保できる。終わりのない他人との「量」の比較は卒業して、まずは自分の生産性を上げる意識とスキルを身につけよう。