朝日新聞社説 : 競争の無い世界では、人は堕落する
幻の注水中断―いい加減にしてほしい
asahi.com(朝日新聞社):社説(http://ow.ly/55567)
福島第一原発の事故発生翌日、1号機への海水注入が55分間中断した事実はなかった、というのである。
基本的には現場の判断を尊重した方が良いと思う。
目の前で、直に状況を把握しているのは現場だからだ。
しかし、この大いなるフィクションに世間が大騒ぎをした。
東京電力の訂正報告が本当なら、福島第一の所長が東電本社の指示に従わず注入を続けたことを経営陣が2カ月以上も知らなかったことになる。
もはや何を信用してよいのか分からない。
私は、自分の判断力を持つために、震災以降は全くTVを見なくなった。
いや、見ないようにしている。
切羽詰った状況で人間の本性は出る。
そんな状況下で、TVでも正々堂々と嘘が行き交っているからだ。
民間企業のように競争に晒されれば、知恵と工夫が出て、人やサービスは洗練されていく。
しかし、競争の無い世界では、人は堕落している。
平常時に、いくら「聞こえの良い言葉」「立派な社訓」「企業理念」を唱える事ができても、この非常時の行動で全ては露になる。
そんな事を感じさせてくれる、認識させてくれる出来事である。