映画評…運命の逆転…人権と真実の関係
運命の逆転 [DVD]/ジェレミー・アイアンズ,グレン・クローズ,ローン・シルバー
¥2,079
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1990年公開の少し古い映画です。
妻を植物人間にした罪で訴えられた貴族--1980年アメリカで実際に起きた事件を裁判に関わった法学者の手記を基にして映画化した心理サスペンス。
資産目的で結婚した妻サニーを、少しずつ薬漬けにして、植物状態まで追い込んだとされる夫クラウス。
ユダヤ人弁護士のダーショウィツは上流階級のクラウスに対し当初反感を抱いていましたが、同僚らとチームを組んでこの事件の謎を追ううち、その背後にある意外な真実を探り当てる。
実はサニーは薬物中毒であり、そんな妻から逃れたがっていたクラウスとの関係は崩壊寸前だったと。
殺害計画に用いられたとされる注射器の入っていたバッグがクラウスのものではなく、息子アレクサンダーから麻薬を入手していたサニーのものであることを突きとめたダーショウィッツは公判で検察側の証拠を崩してクラウスの無罪を勝ちとるが、事件の真相は今でも謎のまま。
クラウスも、そして眠ったままのサニーも存命中だそうです。
弁護士ダーショウィツのプロフェッショナル意識は凄いと思いました。
今回は、「無実」のためにこの仕事を引き受けたのではなく、「冤罪の可能性」を見つけたために、クラウスの「人権」のために戦ったのです。
実際に、調査の途中段階でも、クラウスの「無実」については懐疑的な言動をしていました。
でも、人権のために戦う。
無実を勝ち取って、ダーショウィツに涙ながらに感謝しているクラウスに対して残した言葉が印象的でした。
「法的には勝ったが、君の良心は君の心の問題だ。」 と言い残し、クラウスは素の表情になります。
すごい複雑な関係ですね。
僕にはムリかも。。