シルタス!

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今日の脳カツ 19.「プロフェッショナル仕事の流儀」 岡田武史監督が追求する考える力

今日、録画していた「プロフェッショナル仕事の流儀」を見た。今回は、今シーズンから中国プロリーグ 杭州緑城の監督に就任した岡田武史さんだった。僕は岡田さんが日本代表の監督だった時からかなり注目していたんだけど、今回の特集も非常に興味深かったので、感想を含めて考えを書いてみる。 岡田監督は、その風貌通りの理論派。しかし、その理論を収集してくる分野は多岐に渡ってる。経営者との面談、ビジネスセミナー、心理学、宗教、様々な分野の書籍、時には座禅を組みに行って「無意識」について学んだそうだ。普通の人であればサッカーに関する理論は、サッカーの分野から拾ってくる。 でも岡田監督は違って、一見関連性のない分野からの知識をサッカーに繋げる。これは抽象度の高い人に見られる技術で、あのスティーブ・ジョブズも持っていた能力だと思う。関係ないものと、関係ないものを組み合わせて、必要な理論を組み立てる。全く新しいものを創造するのではなく、組み合わせる。 僕は岡田監督がそういう人物だと以前から知っていた。日本中を沸かせた2010年W杯の時、本番直前になって本田圭佑を1トップにする戦術に変更して驚かせた。テストマッチで連敗していた諦めムードの中、その戦術は「博打だ!」と批判されたが、ベスト16の結果を出した後は「名将」と称賛された。 「名将」と称賛する声が多かったものの、一部評論家の間では「博打で勝っただけ」という論調も根強く残っていた。しかし、僕はこのどちらの論調にも賛同できなかった。なぜなら、4年に一度で日本中・世界中が注目するW杯で博打を打てるはずがないからだ。打てるのは、イッテしまってる人だけだろう。 あの土壇場でのシステム変更は、単純に勝つための道筋が「見えていた」だけだったんだと思う。それがたまたま大きなシステム変更に繋がっただけで、本人たちからすれば「勝つためにやるべき事をやっただけ」というスタンスだったに違いない。サポーターや評論家は、システムに固執しすぎてる。 岡田監督のような抽象度の高い人は、本質をとらえる能力に優れているので、その本質に向かうための形についてはそんなに重要視しないのだと思う。なぜなら、どんな形であっても、目指すゴールにたどり着ければいいからだ。逆に言えば、システムや形にこだわりすぎると、ゴールを見失ってしまう。 岡田監督が中国リーグの監督になると耳にした時は、「ははーーん、また何か違うものを手にしに行くんだな」と思った。Jリーグや他のリーグからのオファーもあったと聞く。しかしあえてサッカー後進国の中堅チームを選んだ。何かの意図があることは容易に想像できる。今回は何を求めているのか。 形って本当はどうでもいい。形にとらわれすぎると本質を見失う。ただ、形にとらわれない為には成熟が必要で、成熟するにはそれなりの時間、労力、経験、忍耐が必要だ。でも、この形にとらわれないあり方を身につければ、個人がもっともっと大きな仕事ができるはず。岡田監督を見てるとそう思う。