映画評…アメリカンヒストリーX…憎しみは君を幸せにしたか?
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「ファイト・クラブ」のエドワード・ノートン主演の衝撃作。白人至上主義の極右組織“ネオナチ”のメンバーとなったある兄弟の悲劇を通し、現代アメリカの暗部を衝いてゆく。共演にエドワード・ファーロング。父を黒人に殺された恨みから、白人至上主義グループのメンバーとなったデレク。やがて殺人事件で刑務所送りになった彼が出所してきた時、デレクは自分を崇拝する弟がメンバーとなっている事実を知る。
脚本は新鋭デイヴィッド・マッケンナ。製作はジョン・モリッシー。製作総指揮はローレンス・ターマン、スティーヴ・ティッシュ、キアリー・ピーク、ビル・カラーロ。音楽はアン・ダドリー。美術はジョン・ゲーリー・スティール。編集はアラン・ハイムとジェリー・グリーンバーグ。出演は「ファイト・クラブ」のエドワード・ノートン、「I love ペッカー」のエドワード・ファーロング、「ビッグ・ヒット」のエイヴリー・ブルックスとエリオット・グールド、「ウォーターボーイ」のファイルーザ・バルク、「ベガス・バケーション」のビヴァリー・ダンジェロ、「エスケープ・フロム・L.A.」のステイシー・キーチほか。
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自分の中で、一番と言っていいほど好きな映画であり、かなり考えさせられる映画です。
嫁が見たい!と言ってたまたま借りてきたもので、久々に見返す機会に恵まれました。本当に見るたびに色々な事を考えてしまいます。
アメリカでの、白人と黒人の人種差別は過去の話ではなく、現在も続いています。で、もっと広く見ればアジア人への差別も少なからず残っていますよね。日本では、アメリカほどの分かり易い、人種差別というのは少ないですが、「イジメ」に置き換えてみると分かりやすいかも。
この映画はそんな人種差別をテーマにしているのですが、それが非常に良くわかりやすく仕上げられています。そして「因果応報」とでも言いますか、怒りや憎しみは回りまわって、時間をかけてでも自分に返ってくる。そんなことがテーマになっています。
内容を書いていくと、色々と分かってしまう部分がでてきますので割愛しますが、今現在、何かに憤っていたり、やり場のない(もしくはある)怒りを抱えている方は特に必見です。
最後に、映画の中から引用します。
憎しみとは耐えがたいほど思い荷物
怒りにまかせるには人生は短すぎる
我々は敵ではなく友人である
敵になるな
激情におぼれて愛情の絆を断ち切るな
仲良き時代の記憶をたぐりよせれば良き友になれる日は再び巡ってくる