映画評…今度は愛妻家…全ては生きている間だけのこと
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ぐうたらで愛情表現の下手な夫と、明るく世話焼きな妻。そんな2人が結婚10年目にして迎えたある局面を、時にコミカルに時に切なく描き出した、ファンタジックなラブストーリー。2002年初演の同名舞台を行定勲監督が良質で大人の楽しめる映画へと見事に転換させた。俊介とさくらの会話は非常にテンポよく、やりとりを聞いているだけでも楽しい。また、その楽しさの隙間にペーソスを挟みこみ“日常の幸せ”を浮かび上がらせている。主演の豊川悦司、薬師丸ひろ子はそれぞれのキャラクターを生き生きと表現。オカマ役の石橋蓮司らも光る演技を見せる。ストーリーの妙味も手伝って、観た後にもう一度観たくなる作品に仕上がった。
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生きていると嬉しいこと、楽しいことがたくさんある。
しかしその反面、悲しいこと、悔しいこと、嫌なこと、大変なこともたくさんある。年を取れば取るほど責任も増え、複雑で大変なことも増えてくるはずだ。僕自身も時折いろんな事が嫌になったり、悔しくて悔しくて涙したり、悩んだりすることも多い。これは年々増えているように思う。
しかし、、
その瞬間で見ればそれらは面倒なことなのだが、長い人生のスパンで見ればほんの些細なことだったりする。(リアルタイムではなかなかそんな見方ができないが…)ただしその考え方は、基本的に人生が「今後も長く続くもの」であることを前提としている。
本当にそうだろうか?
普通に生きていれば、死を意識する機会はなかなか無いし、人生はあたかも「無限」であるかのように思えてしまい、これが人生を無駄に生きてしまう要因。逆に何らかの理由で死を身近に感じたり、実際に死と直面した人は、その後の生き方が大きく変わる。これは人生が「有限」であることを知った事が大きく影響しているように思う。
仮に自分自身も70歳まで生きるとすれば、あと38年。なにげにもうすぐで五合目を迎えようとしているのだ。そう考えると長いようで短いし、一日たりとも無駄には出来ない。
後から後悔しても、もうどうしようもない。今できることを、できるうちにやってしまうこと。これはシゴトだけに関わらず、人生すべてのことに言えることだ。
何があっても「死ぬよりはマシ」