書評…原発「危険神話」の崩壊…感情と事実を切り離すこと
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第1章 安全神話と危険神話
第2章 放射能はどこまで恐いのか
第3章 危険神話はなぜ生まれたのか
第4章 「空気」の支配
第5章 「リスクゼロ」を求める人々
第6章 「自然エネルギー」の幻想
第7章 電力自由化への道
第8章 合理的なエネルギー戦略
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自分の強烈な感情が絡む時、人はちょいちょい事実を見誤ってしまう。
これはなかなか恐ろしい事だ。
本書にも記されてるように、メディアは「長期的な大きいリスク」よりも「短期的な小さなリスク」を中心に報道する。なぜならその時々のタイムリーな情報の方が、リスクを身近に感じてしまい、それがあたかも大きなリスクかのように錯覚するからだ。故に本や雑誌が売れ、TVの視聴率は上がる。
最終的に事実を正確に受け取るためには自分で収集し、判断するしか無い。年間で約13万人が亡くなる喫煙リスクはほとんど話題にならないが、数人に被害があった物事は袋だたきに遭い、規制もできてしまう。(もちろん人の命に区別は無い。)
世論に流されない事。群れを信じない事。
自分なりに勉強した結果、その群れが正しいと思うのであればそこに属すればいい。盲目的に多数派を信じてはいけない。一見すると正しい事が、何かによって「動かされている」可能性だってある。
重要なのは、情報と事実を自分で勉強して判断するプロセスを持つ事だ。