iPad2 中国製造工場の爆発事故に見る、需要と供給のバランス
労働者が証言!iPad2工場の実態
リンク:ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト(http://ow.ly/55SDc)
被害者の方には非常に気の毒な事故だったと思う。
「Apple製品」「iPad」の人気の裏に、このような影があったとは知らなかった。
製造原価を考えれば、製造国は中国に絞られる。
しかし、その中国の製造キャパをもってしても、Apple製品の需要には耐え切れなかったという事だろう。
今やApple製品は、全世界の人が「持ちたい」と思うものだ。
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こういった事故を防ぐために、供給を制限する事が良いのだろうか。
私はそうは思わない。
Facebookが、ハーバード大学限定 → 大学生限定 → アメリカ限定 → 一般公開して大成功したように、制限することで余計に話題性が高まり、ユーザーの欲求はピークに達する。
制限する事で余計に「プレミア感」が高まり、供給が始まった途端にユーザーが飛びつく。
要するに、供給が早いか、遅いかの違いだけになり、元の木阿弥になると予想する。
また、人気企業、人気商品が出る事は、市場と経済を活性化してくれるという、良い側面も持っている。
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では逆に、製造キャパを拡大していく事が良い事なのだろうか。
これも悩みどころだ。
現実問題として、製造キャパを拡大するための設備投資をガンガンできる中国企業は少ないだろう。
実質の国営にして経営をしない限りは。
しかも、いつまでこの人気が続くかも分からないのに、毎年設備投資をしていくのはリスクが高い。
結果として投資は人員だけに制限し、仕事環境は改善されなかった。
そういった側面から最終的に、今回の事故は発生したと見ている。
非常に難しい問題で、私は結論を出せずにいる。
伸びている市場、伸びている企業の光と影。
そんな事が垣間見えた事件だった。