目の当たりにした 「自粛」と「風評被害」
最近盛んに「自粛」、「不謹慎」といった言葉が報道されている。
しかし、インターネットに目を移せば、「自粛を自粛するべき」「自粛からは何も生まれない」といった意見が目立つ。
私は圧倒的に後者の意見に賛成だ。
自粛して経済を止める事は、結果的に被災地の方々にも迷惑をかけることになる。
しかし、現実的には私の周りでも「自粛」の動きは大きく、その動きから生まれる「風評被害」は2次災害と呼べるほどだ。
私の経験を3つにまとめる。
<1> 受注間近だった新商品が延期(実質の中止)になった
<2> 国内営業 : 催事や展示会が軒並み中止になり、活気を失っている
<3> 海外営業 : 輸出品は放射能試験が行われ、商談も敬遠される
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<1> 受注間近だった新商品が延期(実質の中止)になった
自粛といって、様々な形の消費活動が停止すると、当然それを提供する企業も在庫を減らさざるを得なくなる。
実際に私も、受注間近だった新商品が3件も延期になった。
私が勤める化粧品業界に置き換えてみる。
「化粧品を買わない」→「販売会社が仕入れを止める」→「製造会社が製造を止める」→「原材料の会社が製造を止める」→「売上が下がる」→「利益が出ない」→「給料が下がる」
そしてまた、→「化粧品を買わない」 へと戻る。
このように、消費や経済活動の自粛は、目に見えないようで、ゆくゆくは自分へと跳ね返ってくる。
感情論で「自粛」「不謹慎」と叫ぶのは良く無い。
結果的に経済が回らなくなり、日本経済が停滞し、復興が遅れる。
そう、被災地の方々を思ってるはずの「自粛」が、かえって迷惑をかけることになるのだ。
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<2> 国内営業 : 催事や展示会が軒並み中止になり、活気を失っている
世界の美術品が日本行き拒否 展示会中止相次ぐ ドニ、北斎も…
リンク:産経ニュース(http://goo.gl/5n8tS)
東京ビッグサイトの展示会、「健康博覧会」など3展が中止に
リンク:(http://goo.gl/fC8pJ)
私は国内の法人営業をしている。
化粧品業界では、春から夏にかけては各社から新商品が発売され、活気付く時期でもある。
その絶好のプロモーションの機会になるのが展示会などの催事だ。
たが、「自粛」といって展示会への出展取り止めを決断する企業や、このような状態で集客などのリターンを期待できないといって出展を取りやめる企業、またリンクの記事のように展示会自体が中止になる事もある。
要するに、新商品発表の機会を失っているのだ。
これではカンフル剤が無くなり、既存製品だけで勝負することになるので、活気を失うのも当然だ。
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<3> 海外営業 : 輸出品は放射能試験が行われ、商談も敬遠される
海外のニュースでは連日日本についての報道がなされている。
しかも、日本と言う国は外国人から見れば一つの都市のような面積しかないために、日本全体が被害を受けているような印象を受けているようだ。
その「風評被害」として、
輸出品は全て放射能試験が追加された。
これは分からないでもない。他国からすれば時刻に入れるものが万が一でも被爆していれば、この上ない脅威となるからだ。
しかし、これによって通関に通常の倍の時間かかるようになり、お客様の手元に届くまでに時間がかかる。
もちろん仕入れを控える動きもある。
輸出事業にとっては大きな被害だ。
最もひどい事は、現時点で日本在住の日本人が、外国の企業へ訪問する事が敬遠される傾向にあるという事だ。
日本人はもはや放射能そのものの扱いをされているという事だ。
これでは商談を前に進める事は困難になる。
このように、日本だけでなく、世界にまたがって停滞しつつある。
本当に危険だと思う。
どうか、このブログを読まれた方には、通常の消費活動をお願いしたい。