シルタス!

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映画評…セントアンナの奇跡…二度と見返すことの無い作品

----------------------------- 『ドゥ・ザ・ライト・シング』『マルコムX』などでアメリカ黒人社会の光と影を描き続けているスパイク・リー監督が新境地を開いた。原作・脚本は、叔父がかつて黒人のみで編成された部隊“バッファロー・ソルジャー”の一員であったジェームス・マクブライド。1944年8月12日、イタリアのトスカーナでナチスが罪のない大勢のイタリア市民を殺害した“セントアンナの大虐殺”を下敷きに作り上げた物語である。かつて激しい攻防が行われた戦場や過酷な虐殺現場となったセントアンナ教会で撮影を行い、文化の違いやイタリアの方言を正確に描くためにこだわりぬかれた俳優たちが生み出す“本物”のエネルギーをスクリーンで体験してもらいたい。 ----------------------------- 衝撃作品です。 ナチスによる大量虐殺の様子、そして当時は根強く残っていた人種差別をリアルに描いています。そして何より驚いたのは、これは「実話」に基づいて描かれた作品だと… 大量虐殺と言うぐらいですから、本当に多くの命があっけなく奪われるので、見ていると慣れてしまいます。なぜ慣れるかと言うと、殺す側の人間には何の躊躇もなく、老若男女を問わずに本当にあっけなく殺してしまうからです。観終わってから冷静になると本当に恐ろしいのですが、それぐらいの状態でした。この状況の人間の心理状態って、一体どんなものなんだろう。知りたくはないけど、興味はあります。 それぞれの人間に、今まで培ってきた人生があって、家族もあり、経験もある。それが一瞬で奪われるというのは本当に悲しいことです。大阪でも先週に通り魔殺人がありました。大阪ミナミという馴染の土地だったこともあって、リアルに考えさせられたのですが、「死」はいつ自分に襲い掛かってくるかはわかりません。お亡くなりになった犠牲者の方も、その当日「たまたま」そこを通りがかっただけだったと思います。そこでまさか自分の人生が終わりを迎えるとは… まさに夢にも思ってなかったでしょう。 今の人生に感謝しつつ、もっともっと自分の能力のすべてを発揮して、人生を楽しめるような生き方をしたいです。考えたくもないことですが、自分に死が迫った時に「無念」と思いたくはないですから。この映画からは、深く深く考えさせられましたね。 この映画、二度と見返すことは無いと思います。