シルタス!

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書評…死ぬときに後悔すること25…桜の花は後悔するだろうか

---------------------------- 第1章 健康・医療編ー死ぬときに後悔すること 第2章 心理編ー死ぬときに後悔すること 第3章 社会・生活編ー死ぬときに後悔すること 第4章 人間編ー死ぬときに後悔すること 第5章 宗教・哲学編ー死ぬときに後悔すること 第6章 最終編ー死ぬときに後悔すること ---------------------------- 「桜の花は後悔するだろうか」 この本の著者はそう思ったそうです。 桜は精一杯咲いて、見事な満開の姿を見せて散っていくから、後悔しているとは思えない。セミも8年ほど土の中で過ごし、外へ出て数日で死にますが、短い命を精一杯生きています。その姿には後悔というものが感じられない。 精一杯生きようとした命は、死ぬとき決して後悔しない。 著者はこれまで1000人以上の死を見届けてきたようですが、40~50歳代で亡くなる人でも、「生を生き切った」と後悔しない人がいて、逆に80~90歳代まで生きた人でも、思い残しの強い人がいる。そういった経験から、人生は「長さ」ではなく、精一杯生きる時間の「密度」が大事だと思うに至ったそうです。 僕も以前から不思議に思っていたことがあり、それがこの本を手に取るきっかけになりました。 それは、有名な経営者や世界的に活躍する実業家、スポーツ選手たちのインタビューや著書を読んでると、多くの人が「死」について考えていた事です。若くして生死の境を彷徨う大病を経験した方も中にはいましたが、 「死に方、死期、死んだ後」 まだ30~40代で死は縁遠いように思える人でさえ、実に明確にそれを考えています。 それがずっと不思議でした。なんでそんな事、そんな怖い事をあえて考える必要があるのか。 しかし最近分かってきたことは、「死」と向き合うことで、人生の期限(残り時間)が明確になり、一瞬、一日を大事にしようとする意識になるんじゃないか、という事です。あのスティーブ・ジョブズも毎朝鏡に向かって「今日やることは、自分の本当にやりたいことなのか?」と問うていたそうです。それで「No」が何日か続くようであれば、何かを変える必要があると認識していたと。 ぼーーーっとしてる時を考えたらわかりますが、そんな時はまるで時間が「無限」であるかのように思えます。しかし生物には平等に死が訪れます。ぼーーーっとしてる間に、時間は過ぎ、老い、いろんなことを素通りして死に至る場合もあるのでしょう。それが本書に書かれている「後悔」に繋がるのでしょう。 本書に書かれている項目は、一見すると「当たり前のこと」です。しかし、当たり前に見えることに本質は含まれているものでもあります。そして、著者が実際に「死」を迎える方々から直に聞いたり、その様子を見て感じたことなので、事実でしょう。 当たり前の事が、当たり前にできているか、自分がやりたいことを全うできているか、日々自問自答して精一杯生きたいですね。 「桜の花は後悔するだろうか」