シルタス!

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高校生に伝えたい「13年後」のこと

私は週末に時間のある時は母校にバスケットをしに行っています。 そして僭越ながらOBの立場でちょっとした指導をしています。 基本的には自分も同じ練習量をプレーして、できる限りプレイヤーの生徒たちに近い視点、心境でいられるように心がけています。なぜなら、監督はちゃんといるので『指導者』としてではなく、プレイヤーと監督の中間のような存在である事がチームのためには有効だと思うからです。 『指導』と言っても、いわゆる体育会系の声を荒げるようなものではなく、基本的に冷静に淡々と話をします。 しかし先日、珍しく大きく声を荒げたことがありました。 その日は監督が不在。 自主練に近い状態で、私が練習の管理をしていました。今の生徒達はとてもマジメなので、監督が不在でも著しく怠けたり、日頃と違う事をするような事はしません。しかしその日は何となく緩んでいました。 走るべきところで走らない、声を掛けるべきところでかけない、中途半端に派手なプレーに走る。技術的な部分の拙さは別に咎めませんが、誰にでも出来る基本的な部分をやらないので、明らかに緩んでいる状況でした。もうすぐ試合が迫っているというのに… ずっと我慢していたものの、ついに限界が… ゲーム中、速攻の場面でボールを受けた私は周囲を見渡したところ、少し走ればノーマークになる状況で走るのを止めた生徒が目に入りました。 その瞬間ボールを叩きつけてプレーを止め、本気で叱りました。(20秒ほど…) 日頃声を荒げない分、相当迫力があったようでその生徒はすぐに涙ぐんでいました… その後、練習が終わった後に個別に呼び出して、「なぜ怒ったのか、自分がどう思ってるのか」を時間をかけて伝えました。(その目にはまた涙が…)30過ぎの外部から来てる男性に怒られたのですから、辛かったと思います。 平成世代の子供たちは「精神的に弱い」を評されることが多いので、その後どのような反応があるかは正直怖いと思っていました。 しかし、、、 練習内容や感想、その後の意気込みを記す当日の「クラブノート」には下記のように書かれていたそうです。 --------------------------------- 本日の練習では、気持ちの持ち方について教えて頂きました。 「練習中にかっこつけてループシュート打ったり、速攻の場面で走らない人がいたり、3対2を確実に決めれない、チームの状態が悪い、こんなんじゃ年明けの新人戦だけじゃなく2年生最後の大会も負ける。 でも今からでも気持ちを入れ替えたら絶対に勝てる」 と教えていただき、明日からはもっと集中して1分1秒無駄にしないようにしていきます。そして僕はプレー中の些細なことを気にしすぎているので勝つためにはそんな事はきにせずに、もう一回もう一回の気持ちでミスをおそれず、自分に出来る全てのことをやるようにしていきます。 --------------------------------- これすごくないですか…? クラブノートは私が見るものでは無く、監督に提出するものです。そして、その当日の練習は監督が不在。要するに、私に怒られた事はクラブノートに書かなくても監督にはバレないのです。 しかし、そこであえて書いてくるのは、本人が本気でそう思ったからでしょう。 嬉しかったですね~~、これは。 私自身は生徒に偉そうに指導できる人間ではありませんが、自分が持ってる知識と経験は惜しみなくシェアしたいと思っています。監督でも無いので、「~した方が良いと“俺は”思うよ」のスタンスで。 そして生徒達に伝えたいのは、苦しくても「やり通す」ことの大事さです。 私は現在31歳で高校を卒業してから13年が経ちますが、いまだにその時に乗り越えてきた苦しさや、やり通せた事の自信がプラスに働いており、何があっても「あの時に比べれば…」そういう思いで乗り切れる事が多いです。 逆に、、何らかの理由で途中で諦めた人、投げ出した人は、いまだに後悔のセリフを口にしています。13年経った今でもそうだという事は、今後よっぽどの事が無い限り、その記憶は変わらないでしょう。 13年後の事なんて、13年経ってみないと自分の実感としては分からない。それももちろん理解しています。しかし!! 13年後を知ってるからこそ、それを少しでも伝えていきたい。そんな思いです。 「暑苦しいおっさんが何か語っとる」 そんなスタンスでも構わない。でもその「何か」が頭の片隅にでもインプットされれば、私の仕事としてはOKかなと思います。 世の中で報道されている「平成世代の特徴」は基本的に信じていません。 私は目の前にいる生徒達を信じています。