シルタス!

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書評…自殺よりはSEX…「清濁併せ呑む」そんな一冊

『自殺よりはSEX』という過激なタイトルですが、内容はと言うと村上氏独特の淡々とした、でもハッキリとした表現で溢れているエッセイ集です。村上龍さんが、今まで書いてきたエッセイ本の、“恋愛論”“女性論”をいいとこどりしたものだそうです。 村上龍氏の本の特徴は、本来は矛盾する事がハッキリと明快に表現されていることではないかと思います。物事の本質は、「真ん中」にあります。ですが、その「真ん中」は両端を知ることでしか見出せません。その葛藤だったり、その時々の自分なりの答えが明快に書かれています。だからこそ、その文面からは人間味が感じられて引き込まれてしまうのでしょう。 「恋愛を最優先にしない人が充実した恋愛をすることができる」 これも一見すると矛盾していますよね? ですが、僕はこの論理はすごく正しいと思います。 「結婚したい~」と言う人を時々見かけますが、これは少し違和感を感じてしまうんですよね。結婚はあくまで「形」であって、そう思えて、そう思ってくれる相思相愛の相手がいて初めて視野に入ってくるものです。しかし、「結婚したい~」とのたまう人は、まずその「形」に恋焦がれているのだと思います。別に無理をして恋愛も結婚もする必要はありません。 ですから、恋愛(相手)に依存しない人ほど、良好な関係を気づけて、結果的に良い恋愛が出来たり、結婚ができたり、その確率が高まるのではないでしょうか。 非常に興味深い一冊です。