シルタス!

“知る” に何かを “プラス” 〜 「人生ネタ的」何でもアリなブログ(今はこちらのメインブログで書いています。http://enrique5581.net/)

映画評…ブラックスワン…本当に自分を変えていくこと

------------------------- ナタリー・ポートマンミラ・クニス共演の心理スリラー。ニューヨークのバレエ団に所属するニナ(ポートマン)は、元バレリーナの母とともに、その人生のすべてをダンスに注ぎ込むように生きていた。そんなニナに「白鳥の湖」のプリマを演じるチャンスが巡ってくるが、新人ダンサーのリリー(クニス)が現れ、ニナのライバルとなる。役を争いながらも友情を育む2人だったが、やがてニナは自らの心の闇にのみ込まれていく。監督は「レスラー」のダーレン・アロノフスキー。主演のポートマンが第83回米アカデミー賞で主演女優賞を獲得した。 ------------------------- すばらしい映画でした。 前評判では、「怖い」「エグい」などの評価を聞いていたのですが、まぁそのあたりは当たってますが……(汗) ただ、本質を読み解いていくとすごく興味深いと思います。 主人公のニナは美しく品行方正で、どんな演技も完璧にこなそうとする、でも臆病は女性。 「白鳥の湖」の舞台で主役として表現するためには、完璧に踊る事が必要な白鳥だけでなく、官能的で挑発的な黒鳥も演じなくてはなりません。 役者に共通する事ですが、自分の内面はそのまま演技に出るそうです。品行方正なニナには、台本以外の部分の本能から沸きあがるような演技力が決定的に欠けていました。 そこからの脱皮を図るために、幻覚を見るほど自分と向き合ったり、天真爛漫で自由奔放なリリーと遊んだり、母親と言い合いしてみたり、振付師と火遊びしてみたり… そんな過程を踏んで……最後は…… 人が「変わる」というのは本当に難しい事です。 「明日から私は~」こういうのは、最初の一歩ではあるものの、決意を新たにしたに過ぎません。 <大前研一氏の言葉> 人間が変わる方法は3つしかない 1.時間の使い方を変える 2.住む場所を変える 3.付き合う人間を変える この3つの要素でしか人間は変わらない。もっとも無意味なのは「決意を新たにする」ことだ。 内面から変えて演技に結びつけるために、人の狂気や嫉妬にさらされながらも前に進んでいく様は学ぶ部分が多かったです。 まず、主役に抜擢されたという「外圧」があって、そこから強烈なモチベーションが生まれます。(世間ではそれを「きっかけ」と読んでいます…)スタートは外圧から。自分だけの意識ではなかなか人は変われません。自分や今の日本にも言えることかな… ありがたい事に営業という仕事をしていると、日々外圧にさらされます。人前に出る、お仕事を頂く時点でそこには大きな責任が発生し、自分の常識だけでは押し通せないような事が多々あり、その時々によって柔軟に自分を変えていくことが必要になります。内勤時代は、こういう事がなかなか分かりませんでした。たまに「営業経験」の重要性が説かれているのを目にしますが、私は「世の中にはいろんな常識があること」また、「それに合わせて自分を変えていくこと」が学べるので、非常に良いものだと思います。 話が大きく逸れました… とにかく学びの多い映画でした。