映画評…イン・アメリカ … 前に進みたい時に、必要な事は「信じる事」
<あらすじ>
『マイ・レフトフット』『父に祈りを』で世界に大きな感動を与え、アカデミー賞候補となったアイルランド人監督、ジム・シェリダンが描く、移民家族の絆と愛の物語。シェリダン監督が、2人の娘とともにアメリカへ移住した時の体験を基に、希望の街、ニューヨークで暮らす人間たちの心を映し出していく。物語の語り手は、死んだ弟、フランキーのスピリチュアルな存在を信じる10歳の少女、クリスティ。三つだけ叶う願い事は、フランキーが叶えてくれる。そして、死に直面し、人生を達観したような瞳を持つ男、マテオ。
不思議な描き方をしていて、それが不思議な感動を与えてくれる映画でした。
特に大きな山を作るわけではなく、あえて淡々と進んでいく、そんな映画です。
アイルランドから移住し、ある種の偏見と戦い、お金の無い中で、家族の幸せを求めていく。
厳しい現実にも出会いながらも、家族で力を合わせて家族の死と生と向き合う。
これだけ、対話のできる家族は素晴らしいなと思いました。
しかも子供がまだ小さいので、大人が物事を頭ごなしに言って、育ててもよさそうなものですが、この家族にはしっかりとした対話があります。
その都度の不安、恐怖、喜び、悲しみをみんなで共有しています。
そして、人間は次へ進む時、「信じる事」が何より必要なのだと感じました。
苦しいときほど、物事や人を信用できなくなります。
でも、そうやって一人で塞ぎ込んで、入り込めば入り込むほど深みにはまっていくものです。
実は、しんどい時こそ、信じることが必要。
この家族もそうやって家族の死を乗り越えました。
勉強になりました。
子役は実の姉妹だそうですが、その演技力は驚愕。
本当に驚愕です。。 必見!