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「役職」という役割は必要だろうか… 不要だと思う。

今日は「役職」という役割の必要性について書きたいと思います。 まず前置きすると… こういった類の話は… 「組織論」「上司と部下」「マネジメント論」色んな視点からの議論があってしかるべきです。 しかもそれは、業界、業種、企業規模、組織形態、各人の経験によっても違いますので、本当に多くの意見があると思います。 なので、私は自分の経験から導きだした意見を書きます。 結論から書くと、 私は「役職」は、それ自体はもう必要無いと考えています。 対外的にキーマンを分かりやすくする為、あるグループのまとめ役を示す為、そういう意図であれば問題ありません。 ですが、従来の組織運営の役割(ポジション)としては、もはや必要ないと思います。 【なぜか?】 <1> 役職者を通して判断してる時間が無い   今は一般社員でも、高度な判断を求められる時代です。   部長に相談して、手に負えず社長に。その判断まで一週間…   そんな期間が致命的になることも。   逆に言うと、社長決裁が必要な案件をも、一般社員が進める事が多くなってきているのです。   今の時代、階層にこだわった仕事の仕方は、情報は階層を経るごとに捻じ曲がるものですし、スピードが遅くなるために、物凄い危険を伴います。   そうすると必然的に、中継役でしかない役職者(中間管理職)は不要になります。 <2> 経営者のトップダウンの方が、早くて正確   <1>に書いたように、現場が直接社長などの経営者とやりとりするようになると、経営者も現場に詳しくなります。   そうなると、役職者が会議を繰り返して他部署と調整するよりも、経営者が必要に応じてトップダウンした方が、早くて正確です。   来週の会議で決定するから… そんな事もなくなります。   ここでも必然的に、中継役でしかない役職者(中間管理職)は不要になります。 <3> マネジメントだけが仕事の人間を置いているコスト的余裕は無い   マネジメント業務と言うのは、形があって無いようなものです。   確かに、部下の相談を受けることもありますが、基本的には部下の評価や、他部署との調整、経営者との調整が主になります。   ですが、<1><2>に書いた事からも分かるように、その役割もなくなりつつあります。   でも、意外とこの「仕事の無い役職者」は放置されているケースがまだまだ多いのです。   周知の事実なのに、社歴や今までの功績から言い出せず、進言も出来ず。   実質窓際状態のまま放置されている。   しかし、企業もそんな利益を生まない人をいつまでも放置する余裕がなくなってきており、マネジメント業務が無くなったなら、自分で数字を作ってこいという事になります。   さもなければリストラ… 結論としては、経営者以下はフラットにして、情報精度と判断・決断のスピードを上げて、組織の柔軟性を高める。 人事考課(評価)の仕組みは考える必要はありますが、これが現代社会にあるべき姿だと思います。 今はこういった変化への過渡期です。 未だに古い風習から抜け着れずに、赤字、倒産、またその予備軍としての憂き目に会っている企業も多いと思います。 上記のような機能不全によって、それぞれが抱えるストレスにも目を向けてみたいと思います。 【それぞれが抱えるストレス】 <1> 組織図と実態のギャップ   会社としては、毎年組織図を作ります。   対外的、社内的に役割を分かりやすくする為です。   しかし実態は、中間管理職が役割をなしてなかったり、決裁機能がなかったりすると、組織図と実態のギャップが生まれます。   自分の上司は○○部長なのに、決裁はいつも社長にもらう。   自分の上司は○○課長なのに、報告はいつも部長に直接させられる。   こういった事態が生まれ、実質的に組織図が「死んでいる」状態になると、もはや統制はとれなくなります。   そうした反省点を元に、来期は新しい体制にするのですが、そもそもが時代の流れに則していないので、人や形を変えたところで結果は同じ。   イタチごっこです。 <2> 経営者と役職者のギャップ   役職者を選任するときは、当然ながら経営者も期待をこめて選任します。   運営スタートした後、実態として機能しなくなると、それとなく風評が耳に入ってきます。   しかし、当の機能していない役職者は、せっかく与えられたポジションに対して、自分から「機能していません」と進言出来きません。   そんな心理面がどこに行き着くのかは明確で、「保身」です。   嘘、手柄(実績)の横取り、他部署との足の引っ張り合い、情報隠蔽が常態化し、「役割」は放棄しているにも関わらず、なんとしても「ポジション」を守ろうとします。   まるで、どこかの政治家のようですね(汗) <3> 役職者と部下のギャップ   <1><2>から、機能していない上に、保身に走っている役職者の下で働く部下は不幸です。   普通に話が通じる相手ならまだしも、情報が捻じ曲げられたり、嘘をつくような相手では、下手に情報も出せず、報告も出来ません。   しかし… 恥も外聞も無く保身に走ってる人を見くびってはいけません。   報告しなければ「評価しない」という脅しをかけられ、渋々報告すると、いつの間にか役職者の実績に…   役職者にOKをもらった案件がトラブルになり、経営者に一緒に報告に行くと、「あの時私はNGだしたんですよ!」と寝返られる…   身に覚えのある方、いませんか?(笑) まぁ、色んなケースがあります。 ただ、ハッキリしている事は、従来の組織運営の考え方、役職者のあり方、役割が、現代では機能しなくなっているという事です。 それに薄々気づきながらもアジャストしない組織では、こういう不幸がしばしば起こります。 そして機能不全を起こし、徐々に、いや一気に衰退。 思い切って形から変えて、それぞれの役割を見直していく時期ではないでしょうか。 さもなければ……(汗)