人の批判をしない方が良い3つの理由
その人の「意見」を批判してるはずなのに、いつしか「人格否定」に発展していく。
その人の「意見」を批判していたはずなのに、いつしか「その人自身が嫌い」になっていく。
ある会議で言い合いになった二人が、その後ぎくしゃくしていく。
日本ではこういう事がしばしば起こります。
欧米諸国では、会議でつかみ合いのケンカ寸前の言い合いになった二人が、その後仲良くランチに行くような事も普通だそうです。
仕事上の思想や考え方の違いはよくある事なので、人の意見を批判する事は問題ありません。
(ただし、本人の前での批判に限ります。)
しかし、人格否定はしてはいけないと私は思っています。
その理由を3つ書いてみます。
<1> 自分にも~%かの落ち度があるはず
100%、完全に相手が悪い事なんて稀です。
一見そう見えることでも、経緯をたどると、
「あの時に自分がそういう態度をしたから…」「あの時、その人にそれを言ってなかったから…」
という伏線が必ずあります。
よく上司の事を「無能だ!」と、意気揚々と批判している人がいますが、少しレベルの高い人にその姿を見られれば、「その無能な上司にいいように扱われるほど無能な人」と判断されてしまいます。
意気揚々と批判しているときは気持ちが良いですし、それこそ「世直し」「改革者」のつもりかもしれません。
会社内ではそういう批判も意外と聞いてもらえるのですが、社会からはそう見てもらえません。
「そこそこの生活」を送るのが目的の人はそれでも良いかもしれませんが、少しでも「成長したい!」「向上したい!」と思っているのならば、まずは
「自分の何がいけなかったのか?」「どうしたこうなってしまったのか?」
と、自分を振り返ることが必要です。
世の中で成功している人ほど、いかなる事が起こっても「我の不徳の致すところ」という心境でいるように思います。
自分の事はコントロールできますが、他人の事は基本的にコントロールできない事を知っているからです。
<2> フェアなあり方が失われる
特定の人の批判をし始めると、その人のやる事なす事に粗探しが始まり、その人に関する風評(噂)にも敏感になります。
他者からその人の噂を聞いて、「それ見たことか!」と安心し、また別の人にその噂を流す事で発散する。
本人に事実関係を確認もせずに、そういった事が行われることは意外と多いものです。
しかし、ここで一つの問題。
その風評が「デマ」だった場合、どうするか。
風評を流した人たちが、その人の為に弁明、弁解、誤解を解く説明をするか。
これは、絶対にしません… 要するに、言いっぱなしです。
いくら批判したい相手だとは言え、あらぬ噂を流して平気ってことで、これでは、どこかの国のマスコミと一緒です。
こういった行為を繰り返していると、自分自身の「フェアなあり方」が失われていきます。
批判したい相手であっても、「真実は真実」「デマはデマ」で、分けて考える必要があります。
批判対象の足を引っ張りたい、自分を正当化したい気持ちで、その人のあらぬ風評を流す事は言語道断です。
<3> 批判は必ず自分に返ってくる
これは格言ではありません。
現実的に必ず自分に返ってきます。
①Aさんが、Bさんの批判をする
②第三者の耳に入る
③いつしかBさん本人にも伝わる
④気分を害する
⑤Bさんが、Aさんの批判をする
⑥第三者の耳に入る
⑦いつしかAさん本人にも伝わる
⑧気分を害する
⑨①に戻る
その組織の規模によって、自分に返ってくるまでの期間に差はありますが、ほぼ100%こうなります。
もういたちごっこです。
自分の批判を心地よく聞ける人なんて稀です。
基本的な考え方に帰ると、他人のことはコントロールできません。
コントロールできるのは自分自身だけです。
上記のような批判を、数ヶ月、数年繰り返したとしても、他人を変える事はできません。
と言うことは、大いなる時間と思考のムダです。
それであれば、自分のあり方を数ヶ月で変えて前進したほうが、人生を効率的に幸せに過ごす事ができます。
かく言う私も、まだまだ感情的になってしまう事が多く、上記の理由が分かっていながらも実践できないケースが多いのですが…
考えをしっかりとまとめるべく、自分への戒めのエントリーでした。