「ツイッターノミクス」非常に興味深い内容だった。
この本に登場する「ウッフィー」とはブログ、
Twitter、
フェイスブックなどの
SNS上に築かれた信用のようなもの。
従来、企業がブランド・イメージを打ち立てるために、ガンガンCMを流すなどの方法で認知度向上を目指していた。
しかし、ウッフィーに関してはそういう「カネで評判を買う」方法は通用しない。
Twitterでもよく見かけるが、「うっかり発言(つぶやき)」で信頼を失墜するような出来事は後を絶たない。
それはそれは、物凄いスピードだ。
<ウッフィーが減る行為>
①こちらから何かしてあげることをせず、頼み事を繰り返す
②自分ひとりの利益になることに関し手間のかかるアドバイスを求める
③自社の宣伝に役立つ場合のみ自社について話す
④秘密主義である
<ウッフィーが増える行為>
①自社製品を購入しようとする人が判断に迷った時、正しい情報を提供する
②新入りのひと、つてがなくて困っている人に救いの手をさしのべる
③他のメンバーと協力してコミュニティの役に立つものをつくる
④大勢のメンバーの役に立つものを考え、共有する
このリストからも分かるように、ウッフィーを獲得するのにはそれなりの時間と努力が必要だ。
しかし、失うのは一瞬。ネット上の信用であっても、人間関係そのものである。
本書は普段、ブログや
Twitterをやっている人が苦労して、試行錯誤の末に学ぶノウハウを惜しげもなく披露している。
ビジネスの面で言えば、「第5章 ただ一人の顧客を想定する」は参考になる。
旧来のマーケティング手法のように、ターゲットをセグメント化して運営するのではなく、ただ一人の理想的な読者を想定して情報を発信したほうがよいという内容だ。
通常、「マーケティング」と言えば、モニターを取り、平均値を割り出す事が多い。
平均値の趣味、思考を把握し、企画や販売戦略を作る。
しかし、「ただ一人の顧客を想定」してものづくりをする事で、ターゲットはより明確になる。
これは目からウロコだった。
新しい世の中における生き方、仕事の仕方のヒントが学べる本なので、必読。