久しぶりに考え方を根底から覆されるような本に出会った。
「伝える事」
これは誰に教えられるわけではなく、生きていく中で学んでいく事。
「プレゼンテーション」と言うと、営業職や発表をイメージさせ、何やら敷居が高い気がする。
様々な媒体の情報で、「
Apple CEOの
スティーブ・ジョブズのプレゼンがすごい!」ともっぱら評判で、ずっと気にはなっていた。
そして最近ついに
Youtubeでその画像を見て衝撃を受けた。
本当に衝撃を受けた。
当たり前すぎて恐縮だが、なんといっても分かりやすい。
そして、キャッチーなフレーズが強烈に頭に残る。
ジョブズに商品説明をされたら、即買いしてしまうだろうと感じた。
何らかの能力に長けている人には、「元々その才能があるんじゃないか」と思ってしまいがちである。
私が
ジョブズに対して抱いた感情も同じだった。
そしてそれが、衝撃的なものに出会ったときに抱く、自分への劣等感だという事もすぐに気付いていた。
ところがこの本を読んでみて、またもや根底から覆された。
めちゃくちゃ努力しているのだ。
よくよく考えれば「元々能力がある」なんて失礼な話で、当たり前のことである。
だからこそ、その人はそこに立っているのである。
話の構成、スライド、タイミング、舞台、照明、音響、ジョーク、間、その全ては計算され、何ヶ月にもわたって準備される。
そして丸二日のリハーサルによってそれは完成する。
私が感じたのは、「どうすれば伝わりやすいか?」を徹底的に考えているんだという事。
言葉で書いてしまうと当たり前の事である。
しかし、一般的なプレゼンを思い浮かべて欲しい。
商品のすごさ、会社のアピールなど、「自分が言いたい事」から話が構成されていることが分かる。
ジョブズの場合は真逆で、「どのようにしたら最も伝わるか」から話は構成されていく。
これは分かっているようで大半の人は分かっていないと思う。
プレゼンではなくてもそうだ。
伝える事は、知らず知らず軽視されており、暗黙の了解で伝わる事に甘んじている。
仕事、夫婦、恋愛でも何でもそうだ。
とにかく、この本を読んで伝える事、手段を見直そうと思った。
ビジネスマンや営業職ではなくても、コミュニケーションのヒントを得たい人は必読だ。